5月21日と22日の二日間、ピッツバーグから車で一時間ほどのラトローブで航空ショーがあった。

アメリカでは、一日2〜3便しか定期便が飛んでなくて、あとは、小型機が利用するぐらいの小さな空港の航空ショーが結構たくさんある。そして、そういう航空ショーにもメジャーな軍のアクロバットチームが参加したりする。そういうショーは、日本の航空祭と比べて人ごみが少なくて、割とゆったり見れる。それでも、ゲートが開く前に駐車場入りしないと、とくに、このラトローブは、おそるべき渋滞になるから、注意が必要。

今年は、カナダ空軍のSnowbirdsと、F-22デモチームが最大の売りだった。ただ、今年ラトローブで航空ショーがあるという情報をつかんでなくて、すでに5月22日の飛行機で日本に帰省することになっていたので、日曜日のショーは行くことができない。前日の予行練習と21日土曜日の本番を見に行くつもりで、前売り券も買ってあった。

ところが、21日の天気予報は最悪、帰国一日前なのに、雨の航空ショーでびしょ濡れで疲れ果てて帰ってくるわけにもいかないので、前売り券は無駄になるけど、前日までに予報が好転しなかったら、予行だけ見て本番は見に行かないつもりだった。

予行に向けて離陸するF-22。FFだからラングリーの機体の模様。

日本でも、AIS Japanに登録してNOTAMを見ると、ブルーインパルスの基地上空訓練の日程とか見ることができるが、同じようにアメリカでも、空港をクローズして予行練習をやるときは、NOTAMが出る。それによると、予行練習は、前日のみのようだった。が、実は、前々日もやっていたらしい。そうと知っていれば二日間見に行ったものを。

教訓としては、NOTAMが出て無くてもラトローブは前々日からやるらしい。

このラトローブ航空ショー、ピッツバーグから近くて、行きやすいかと思ったらそうでもない。去年は帰省中のため行けなかったが、一昨年は、大渋滞で、空港に入るために必ず通らなければ鳴らない交差点で誰も交通整理をしていなかったもんだから、高速道路I-76方面から入ろうとした車だけなぜか進まないという事態が発生した。さらに、普通の航空ショーだと、ハンバーガーとかホットドッグとかの出店がたくさん出て、何か食べようと思ったら割とすぐに買えるのだが、なぜか、一箇所に集約するという大失敗をやった。来場者の大半が一箇所に押し寄せるんだから、恐るべき行列ができていた。今年は、改善したのだろうか。行かなかったからわからんけど。

航空ショー前日、NOTAMの情報で午後予行練習があることを知っていた僕は、ラトローブに来る。従来は、前日でも、空港のターミナル前の駐車場から予行練習を見ることができた。距離は若干開くものの、ほぼショー・センターからのアングルで見ることができるはずだった。ただ、予行練習は、むしろ、ランディングを撮るチャンスでもある。航空ショー当日はやっぱり会場内のあの雰囲気の中で飛行を見たい。だけど、予行練習だったらどうせ中に入れないんだから、滑走路端でランディングを撮るのも悪くない。F-22のランディングはまだ撮ったことがないから、狙ってもいいかと思っていた。

ところが、ラトローブのメイン滑走路は、5-23。ランウェイ23に降りてくる機体は、近くのショッピングセンターの駐車場からよく見える。ところが、当日の予報では、北東の風。ランウェイ5に適した風で、戦闘機だと多少の風は無視して降りてくることがあるとはいえ、ランウェイ5を使う可能性もあった。ラトローブのランウェイ5に降りてくる機体をうまいこと撮れる場所を僕は知らない。

空港敷地から追い出された影響で半端な距離からの撮影になったF-22

ランウェイ23に賭けて、ショッピングセンターで待ったとして、もしもランウェイ5を使われてしまったら大した写真は撮れない。判断が難しいので、無難に空港ターミナルの駐車場から撮ることにした。ターミナルの駐車場に車を停めようとしたら、旅行客以外は停めさせ無いと言われて、仕方なく引き返す。空港敷地の外の芝生に停めて、歩いて駐車場へ行った。まもなく、F-22のエンジンがかかる。その場には、数人の航空ファンが予行練習を見に集まっていた。

ところが、警察がやってきて、駐車場から出るようにと言う。車は駐車場に停めてないし、芝生の上に立っているだけだから、誰にも迷惑はかけない、と、説明するも、旅行客以外は空港敷地立ち入り禁止とのこと。仕方なく、後ろに歩き始めたところで、F-22はランウェイ23にタキシングしていく。しまった。これなら、ショッピングセンターから見れば良かった。

結局半端な位置からF-22の飛行を見ることになった。飛行はすばらしかった。ジェット戦闘機なのに、まるでプロペラの複葉機のようなアクロ。今年は、あと二回、デイトンとクリーブランドで見ることができるはず。今回は大した写真が撮れなかったけど、あと二回のチャンスでいい写真を撮りたい。

しかし、その場で追い返された人の中には、それまで毎年(ときどきショーが無い年もあったから毎年ではないと思うけど)ラトローブ航空ショーは予行練習から見てきたが、空港から追い出されたのはこれが初めてだ、と言う人もいた。旅行客が車を停められなくなるから、車の進入の禁止というのはわかる。また、車が通る位置に立っていたら迷惑というのもわかる。だが、空港敷地外に車を停めて、徒歩で入って芝生で見ているファンまで追い出さなくてもよさそうなもんだ。ファンを追い返すような航空ショーは、続かないかもね。

F-22は、その後、ランウェイ23に着陸。ショッピングセンターで狙ってさえいれば。ただ、Snowbirdsが待ってるところへ降りていくF-22が撮れたから、まあ、それで納得しておこう。

まあ、Snowbirdsをバックに降りてくるF-22というのも珍しいから、まあいいか。

何度も解散が噂されるけど、解散してほしくないSnowbirds

そして、Snowbirdsもランウェイ23で離陸。そのぐらいのタイミングで自分の車にたどり着いた僕は、急いでショッピングセンターの駐車場へ。Snowbirdsのランディングを狙うことにする。Snowbirdsは、使っているのが練習機だけに、ThunderbidsやBlue Angelsのようなアフターバーナー使いまくりの豪快なアクロバットは無い。代わりに、フォーメーションとか、全部で9機の機体を生かした組み合わせのアクロとかが見所。雰囲気はブルーインパルスに似てるかも。

そして、ランディングを狙う、と、思ったらランウェイ5に降りちゃった。がっかり。その後、F-18が上がったけど、海軍はなぜか意地でも会場から見て左から右に離着陸するので、ランウェイ5で、たいした写真は撮れなかった。が、F-22がP-51との編隊飛行の予行でもう一度上がった。このとき、ランディングを狙うことができた。こういう写真ってのは、F-22のベースの地元の航空ファンには珍しくもなんともない写真なんだと思うんだけど、非地元民には貴重な一枚。

F-22二度目の予行のF-22とランディング

次の日。予報は大当たりで、ピッツバーグは大雨になった。前売り券は、次の日も有効だから、友達に譲って、本番は見に行かないことにした。ところが、空港の気象レポート(METAR)が気になって見ていたら、空港周辺は、VMC (有視界状態)。これなら、F-22は飛んだかなあ、行けばよかったかなあ、と、ちょっと思ったのだが、後にFaceBook見たら、何も飛ばなかったらしい。

どうやら、日曜の方がやや予報が良かったらしくて、FaceBookを見たところ一応一通り飛んだみたいだ。けど、日曜は既に僕は日本に向かう機内にいたから、まあ、今回は仕方なかったね。

そして、今シーズン、次の航空ショーは、日本に帰省中の美保航空祭。

航空ショー当日のラトローブの天気。一応。

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